リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

35年住宅ローンを返済・完済できずに老後破産しました!住宅購入はやめた方がいい本当のお金の話

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そろそろ家を買おうかな、と思っている方にとって、気になるのは35年の住宅ローンを組んで、本当に最後まで払いきれるのか、という「お金」のことだと思います。
 
そもそも、家を買う際に当たり前のように利用されている35年・住宅ローンって本当にいいことなの?今日は、一般的な年収の方が住宅ローンを借りることの危険性について解説していきます。最近は高齢者の方で「完済できずに老後破産した」という声もよく聞きますね。

 

40歳で35年の住宅ローンを借りたら完済は75歳

 
家を買う人の平均年齢は30代、40代です。中でも40歳で住宅ローンを借りる人が最も多いらしいのですが、仮に35年のローンを組んだら完済するのは75歳です。これってどう思いますか?私は異常だと思います。
 

年金から毎月10万円の住宅ローン支払い

 
年金受給(年金がもらえる年齢)は原則65歳です。繰り上げ受給という60歳からもらえる仕組みもありますが、基本は65歳です。
 
ではいくらもらえるのかというと、平成25年のデータですが、国民年金が5万4544円。厚生年金が14万5596円。少ないですね〜(笑)。泣けてきます。
 
例えばですよ、3000万円をみずほ銀行の住宅ローン(変動金利・ボーナス払いなし)、金利2.475%で借り入れたら、月々の支払いは約10万円になります。
 
ガチで少ない年金から、月々10万円を住宅ローンで持ってかれるのって、きつくないですか?
 

増えている老後破産の要因の一つが「住宅ローン」

 
今、「老後破産」という言葉がニュースになったり、書籍として出版されたり話題になっていますね。
 
こんな本もあります。

 

老後破産で住む家がなくなる!あなたは大丈夫?

老後破産で住む家がなくなる!あなたは大丈夫?

 

 

 
老後破産とは、老後に生活のお金が足りなくて破産してしまう現象です。では一体何にお金がかかっているのかというと、この住宅ローンの支払いなんですよ。
 
バリバリ働いて稼いでいる40代、50代はいいですけど、仕事が減って特別手当などがなくなり退職が近づく60代、年金受給真っ只中の70代の月々10万円の支払いは痛いですよ。
 
今不安だと感じた方、絶対35年ローンで住宅購入は諦めた方がいいと思います。
 

しかもリフォーム費用がかかるので、月10万円以上の支払いが必要

 
実は、戸建て・マンションを35年ローンで買っておしまいじゃないんです。建てたあとにはリフォーム費用が必ず必要になってくるんです。
 
例えば、雨水の侵入を防ぐ外壁や屋根の外壁塗装は10〜15年に1度必要です。屋根と壁で80〜100万円かかります。30年住めば、2回外装の塗装をしなければならないので200万円もかかりますね。
 
給湯器は10年に1度故障するのが一般的です。これも1回8〜10万円くらい。30年で3回なので30万円。
 
キッチン、お風呂、トイレは20〜30年も経てばだいぶ劣化します。3つで300万円くらいでしょう。
 
シロアリ防除などは10年に一度点検と予防が必要で20〜30万円程度はかかります。
 
その他、壁紙・フローリング、洗面化粧台、耐震補強、玄関、窓、断熱、照明・インテリアなどなど、すべていつかはリフォームが必要になるんです。ボロボロの家で住み続けるわけにはいかないですよね。
 
こう考えると、30年住む間に、リフォーム費用は1000万円弱はかかります。月々10万円の住宅ローンを支払いながら、リフォーム費用もかかる。これを想定せずに家を買っちゃうバカがいるんです。
 

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正直60代になれば広い家は必要ない

 
しかも、60代になれば、息子や娘などの子供は独立して、彼ら彼女は自分の家を建ててたりします。そうすると、夫婦二人ででかい持ち家なんて必要ないんですよね。
 
 
最近は平家という1階建ての戸建てがシニアに人気なのですが、夫婦二人ならコンパクトな家の方がどう考えたって住みやすいんです。掃除する面積も少ないし、部屋間の移動も短くて済む。
 

むしろ夫婦二人なら賃貸でいいよ

 
私はまたお金をかけて住み替え用の戸建てなんか買わなくてもいいと思いますね。一番いいのは60代になったら50〜60平米の賃貸に夫婦二人で引っ越せばいいじゃないですか。
 
 
特に部屋を持て余して、物置になっている部屋ばかりある戸建てはさっさと売りましょう。でも、これまた「仲介手数料」というお金がかかるんですよ。
 

70代なったら空き家にならないように処分する方が心配

 
売るのにも金がかかる、だから保留にしておこう。と思われるかもしれませんが、そのまま誰も使わない空き家になりますよ。子供達は家をすでに持っているわけですから。
 
誰も使わない空き家でも固定資産税と都市計画税がかかるので、維持費がかかりますし、もし解体するとしても150万円ほどかかります。家は買ってしまったら、壊すのにもお金はかかる、維持するのにもお金がかかる、売るのにもお金がかかる、本当に金がかかるんです。
 
・空き家になるとどれだけやばいかを解説した記事はこちら
 

健康を悪くしたら、老人ホームに入るので持ち家必要なし

 
しかも、70代になれば、介護が必要な生活になることが多いです。そうなった時に高齢者住宅や老人ホームに移り住むこともありえます。そんな時に戸建てなんて持ってたらアホですよ。住んでいない家のローンを返済するわけですから。しかも、老人ホームなどの料金も支払うわけです。
 

35年ローンはやっぱり危ない

 
家を買ったらその土地がどんどん値上がりする時代になら、35年ローンを組んでも問題ないわけです。家を売れば、完済できますから。そんな時代にこの35年ローンは意味あるものでしたが、今みたいに家も土地の価値もどんどん下がって、給与は全然上がらない時代には向いていない欠陥商品です。もちろん、お金持ちは別ですが、平均的な家計の家族は手を出すべきものではないと思います。

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