リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

二世帯住宅にして失敗した。絶対後悔しないためのおすすめプラン・間取り・価格を解説!メリットなくデメリットばかり?

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今日は「二世帯住宅」にしようと考えている人に、失敗・後悔しないためのポイントを紹介していこうと思います。というのも、二世帯住宅にはトラブルがつきもので、曖昧な知識で家づくりを進めてしまうと必ず失敗します!
 
ハウスメーカーやリフォーム会社の営業マンの言う通りにするのもいけません。実際に私が聞いた「二世帯住宅にして失敗した!」という事例やエピソードを紹介していきます。

 

二世帯住宅はプランが命

 
二世帯住宅は、親世代と子世代が一つの家に一緒に住むことです。二つの世代が限りなくストレスなく、幸せに暮らすためには、家のプラン・間取りで決まります。重要なのは、何を共有するのか、しないのかをはっきりと決めることが大切です。
 

キッチン、バス・洗面化粧台、トイレは別にしましょう

 
まず別にすべきものの第1位が水回りです。水回りというのは、キッチン、バス・洗面化粧台、トイレ、洗濯機などですね。特にこの水回りにナイーブなのが女性。私が相談に乗った人は、洗面化粧台を一緒にしてしまい、毎朝のメイクしている時にいろんな人が入ってくるのが苦痛でたまらないと言っていました。必ず別にしましょう。
 

玄関を別々にしましょう

 
意外と共有にしてしまうのが玄関。でもこれも別にしましょう。やはり、親世代と子世代では生活スタイルが違います。遅く帰ってくる時間も違えば、朝出かける時間も違います。ドアの開け閉めのたびに誰かのストレスが溜まります。夜遅い帰宅も、気を使って静かに入ってこなければならない、というような生活では、家を買って不自由な生活を手に入れたようなものです。
 

お互いの家に行き来できるドアに鍵をつけましょう

 
二世帯住宅だからお互いの家を自由に行き来できるということが一見重要に思えることですが、これもおすすめできません。それぞれの家の間にあるドアには鍵をつけていいと思います。
 
というのも、お互いの世帯が家を自由に行き来できるようになると、プライバシーが確保できなくなります。これは非常にストレスです。夫婦、あるいは一人でほっとできることが、生活においてとても重要なことです。どこかいつも心がそわそわして心が休まらない状態はストレスを増やし、お互いの仲を悪化させます。
 
 

自分たちのプライベート部屋にも鍵

 
「お互いの家のドアに鍵をつけるのはちょっと」という抵抗がある方もいるかと思います。せっかく二世帯住宅にしたわけですからね。
 
それが無理、言い出しにくいなら、最低限、自分たちのプライベート部屋だけには鍵をつけましょう。何度も言いますが、プライベートな時間、部屋というものがない、という状態は非常にストレスを感じます。
 

嫁姑問題につながることも

 
ある子世帯のお嫁さんは、義母がプライバシーということを理解せずに、家や部屋に入ってきておしゃべりしだすのが本当に嫌で、嫌で、どうにかして欲しいと旦那さんに相談したそうです。朝だろうが、夜だろうが、お構いなしに干渉されるということです。
 
 
このままでは生活が破綻しますので、鍵は絶対につけましょう。隣に住んでいるから何かあった時はすぐ助け合えるけど、日常的にはお互いの生活に干渉せず、ということが大事です。これがお互いの夫婦・全員が理解できないようだと、二世帯住宅は失敗しますのでやめましょう。
 
 

二世帯住宅のメリットデメリットだとデメリットが勝る?

 
 
ここまでプランの話をしてきましたが、簡単に言うと一部同居のような家にせず、完全分離型の二世帯住宅をお勧めします。ただ、思うのは、二世帯住宅にするメリット・デメリットはどこにあるのか、ということです。
 
 
メリットは親の介護がしやすい、子育てを一緒にできる、ことが大きいと思います。ただ、それは本当にメリットなのでしょうか?
 

子供の教育には親に関わって欲しくない

 
子世帯のお嫁さんの中にはいざ二世帯に住みだすと「親が子育てに関わってくるのが嫌」という思いを抱く人がいたりします。子育てのサポートは期待するけど、教育までは嫌というわけです。
 
子育ての方針というのは、たとえ夫婦でも合わないことはありますし、当然親世代とも合わないことがあります。このような子育てに関する価値観がみんな違う場所で、周りに干渉されると大変なストレスを感じます。
 
例えば、親世代は自由奔放に育てればいいと思っていても、子世帯は厳しく育てたいと思っていたりします。そんな夫婦が二世帯に住むと、どんどん甘やかして、制限しているお菓子をなんでも買ってきちゃったりします。親のお母さん・お父さんに「やめてください」とも言いにくいですよね。お手伝いはいいけど、子育ての主導権は自分で握りたい、ということを尊重できるようにしなければなりませんね。子育てで関係が悪化すると、サポートもお願いしにくくなり、ますます二世帯住宅が苦痛になってきます。
 
 

義理の両親や親の仲が良くない

 
また、こんなデメリットもあります。一緒に住んでみたら、親や義両親の仲が意外と悪い、というケースです。毎日いらいらして、ケンカしているのを見せられたりするのは大変なストレスになります。また、お酒が好きすぎる酒癖がひどい親世代と暮らして苦痛だという話も聞いたことがあります。酔いに任せて汚い言葉を吐いてきたりするのは気分がいいものではありません。こういう日々が続き、一緒に撮っていた食事も別々にしたそうです。
 

親が出て行った

 
様々なストレスが重なり、お父さんが出て行った、ということも聞きました。みんなで食事するのが嫌だそうで、そのストレスに耐えられなく、実家に戻ってしまったそうです。せっかく建てた2世帯住宅が全く意味がありません。プライベートスペースをきちんと作らなかったことがいけませんね。
 

親が介護施設に入ってしまい空き家に

 
日本人は健康寿命というものが大体70歳までです。70代になるとなんらかの介護を受けます。健康状態が悪化すると、老人ホームやサービス付き高齢者住宅などに入らざるを得ない方もいます。介護施設に入ってしまえば、二世帯住宅の一世帯分が空き家になります。
 
 
これは無駄ですね。家というのは使わないと、どんどん劣化します。通風しなければ家に湿気がこもり、家全体をじわじわとカビつかせていきますから。
 
さらに、家が大きいですから、固定資産税などの税金や、光熱費が高い。完全二世帯にしておけば、一つの家を賃貸に出すことができますが、リフォームが必要になり、またお金がかかるでしょう。
 
 

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費用は普通の戸建て×1.6倍かかることも

 
二世帯住宅の費用はどれくらいかかるのか?suumoの情報を引用します。
 
平均建築費を比べてみると、単世帯は2625万円が平均。二世帯住宅は約1.4倍の3566万円だ。
 
平均建築費は「完全分離」「一部共用」「完全同居」の順に高く、住空間の独立性が高くなるほどコストがかかる傾向が見える。

 

 
平均は1.4倍くらいかかります。ただ、これが「完全分離」型の2世帯だと4000万円ほどになるそうなので、1.6倍くらいかかりますね。
 
 
二世帯住宅は相当な費用がかかるということを理解してください。ただ、その払った分だけのメリットがあるのか、疑問ですね。
 

親世帯がなくなった後は?

 
特に親世帯がなくなったりすると、その家が空き家になり、無駄になること。また、最近は離婚が増えています。もし子世帯が離婚すると、契約によっては親夫婦でも支払わなければならないことにあります。
 
 
定年してもローン返済のために働きにでなければならないというのは、実際にある話です。というのも、二世帯住宅のストレスが離婚のきっかけになることも大いに考えられるので、二世帯住宅を買うと、高いお金を支払い、離婚のリスクも高まるという危険な買い物のようにも思えるわけです。
 
個人的に二世帯住宅は多少のメリットもあるとは思いますが、ほとんどデメリットしか思いつきませんので、慎重に検討されることをお勧めします。

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