リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

もし離婚したら住宅ローンは夫・妻のどちらがいくら払うのか?連帯保証人になると自己破産の危機も

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35年ローンを組んで手にいれたマイホーム。でももし夫婦が離婚してしまった場合、この住宅ローンはどちらが払うのでしょうか。今日は離婚後の住宅ローンの支払いについて解説します。これから家を買われる方も、万が一のことに備えて覚えておいたほうが良いと思います。

 

離婚したら財産を二等分、ローンも二等分

 
まず、離婚しますと二人の「財産分与」をすることになります。結婚後に購入したものを、二等分して二人で分けることになります。
 
では、結婚後にローンを組んで家を買ったら、これをどう二分するのか。一般的にはその住宅をまず売りに出します。売れた金額で残りのローンの支払いに充てます。それでローンが完済すれば特に問題ありませんが、完済せずにまだローンが残っている場合、それを二人で分けて、それぞれが支払う。これが最も一般的な考え方です。
 

住宅の売却理由でトップは「離婚」

 
不動産会社に行くと、中古の一戸建てや中古のマンションが売りに出されていますよね。ちょっと想像力を働かせてみると、どうしてその家は売りに出されているのか、と疑問に思うはずです。私の友人の不動産会社は、不動産の売却依頼があった場合に、その理由を必ず聞いているのですが、一番多いのは「離婚」だそうです。
 

住宅は20年経てば建物価値は0円

 
一戸建てについては建ててから20年も経てば、不動産会社の評価は0円です。土地のみに値段はつきますが、田舎では大した金額になりませんね。なので、残酷な話ですが、離婚したいなら早めに離婚したほうがいいです。家を売った時により高く売れますので。
 

離婚の理由によってはローンの支払い金額が変わることも

 
離婚には様々な理由があります。例えばどちらかが浮気したというケース。こういう場合は一方に精神的な苦痛を与えることになりますから、ローンの支払いがやや少なくなるといった調停になることも考えられます。また、慰謝料がどちらかから出れば、それをローンの返済に充てることもできますね。
 

連帯保証人になっていない場合はローンの残債を支払う必要はなし?

 
こういう場合でもローンを支払う必要があります。連帯保証人というのは、ローンの支払いが滞った時に代わりに支払う人のことを言います。滞った場合の話、銀行から支払ってくださいと請求がきます。でもこれは、離婚の財産分与とは関係がありません。連帯保証人になっていなくても、離婚すれば負の財産(ローンなどの借金)は二人で分割して負います。
 

夫が住宅ローンを一人で支払い、自分で住む場合も

 
夫が住宅は渡さないということで、自分でローンを支払い続けるということも、実際は可能です。あなたはローンの支払いから逃れることもできます。ただ、注意して欲しいのは連帯保証人になっている場合です。もし夫が支払いできなくなった場合、全債務は妻に降りかかってきます。
 
 
夫が職を失った、怪我をして働けなくなった、鬱などの精神病にかかったなどなど、人生にトラブルはつきものです。お金が稼げなければ、ローンの支払いはできません。妻が支払い続ければ問題はありませんが、別れた夫の家の支払いをするというのは精神的に苦痛でしょう。金銭的にも楽ではないかもしれません。
 
 

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連帯保証人として払い続けられない場合は?

 
では、連帯保証人のあなたが支払いできない場合はどうなるのか。
 
まず、金融機関(銀行など)から再度支払いの督促がきます。でも、支払ませんよね。そうなると、金融機関は保証会社というところから支払ってもらいます。そうなると、債権者が金融機関から、その保証会社に変更されます。変更されたことは、お金を借りた主債務者と、連帯保証人に通知がきます。そのあと、その保証会社からお金を支払ってくださいという催促がきます。その際、元金と役定利息と遅延損害金を含めた催促になります。
 
 

でもほとんどの場合は支払いができません

 
そうなると、家を競売か任意売却で売ることになります。あなたの物件を買いたいという人の入札が始まり、落札者が決定します。それで、ローンが完済されれば終わりですが、残債があれば、また支払いの催促がきます。そこで支払えなければゲームオーバー。破産申請です。主債務者も、連帯保証人も資産がもうないという状況であれば、同時破産ができますので、債務免除になります。借金はゼロになります。
 

自分の信用情報はどう調べるのか?

 
ちなみに、自分の信用情報がどうなっているのか調べたい場合は、CICという機関や、JICCという機関で自分の個人情報を調べれば状況を確認できます。
 
 

目一杯ローンを借りるのはやめよう

 
結婚を機にマイホームを買われることは多いかと思います。でも、すぐに買う必要はないのかもしれません。今や3組に1組が離婚という時代ですので、少し賃貸で暮らしてから、「離婚しない」「大丈夫だ」と思えたらマイホームを買うようにしましょう。失敗すると自己破産にまで至りますのでご注意を。

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