リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

中古マンションのおすすめ築年数は15年〜30年!古すぎも新しすぎもダメ!管理組合・耐震性・長期修繕計画に注目しよう

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中古マンションを買ってリノベーションして住もうかなと思っている方で多くの方が悩まれるのが、「築年数」かと思います。築何年までのマンションなら買って大丈夫なの?築10年、20年、30年?
 
こういうことは、中古マンションを買う前に絶対に知っておきたいことです。知らずに営業マンに勧められるがままに買ってしまうと、あとあと取り返しのつかないことになります。今日は中古マンションを買う際の築年数の考え方と私のオススメの築年数について紹介していきます。

 

 

中古マンションの築年数は古ければ古いほど安いのか?

 
「築年数」という意味について今一度確認しておきますね。これはマンションが建てられてからの年数です。人間の年齢のようなものですね。
 
基本的には築年数が古くなるごとに、その中古マンションの価格は安くなる傾向になります。古いものほど安いんです。ただ、一部ヴィンテージマンションというような建物自体が希少なものもあり、そういうものは古いほどむしろ高くなるようなケースもありますが、それは本当に一部だけです。
 

マンションの価値は築20年まで一気に落ちる

 
中古マンションが年をとっていくたびに価格が安くなるのは、マンションの価値というものが年々下がっていくからなんですね。特に新築として建てられた後から、20年目までは一気に価値が落ちていきます。その後は緩やかに価値が下がっていくという感じです。
 
つまり、築20年目以降は値段が落ちきっているので、お買い得ということです。
 

ただし、1981年以前に建てられた中古マンションには注意

 
築20年以降なら何年でもオッケー、というわけではありません。1981年に建築基準法というものが改正されて、耐震基準というものが変わりました。ややこしいので、簡単に説明すると、1981年以降に建てられたものは、それよりも前に建てられた物件よりも耐震性能が強いということです。
 
 
1981年というと、築年数でいうと、今築35年です。この年を境に、耐震性能の良し悪しが分かれるわけです。ですから私がオススメするのが、1981年以降に建てられたマンションです。築年数でいうと、築34年までですかね。
 

耐震性の悪いマンションを買ってしまうと何が起こるのか

 
気になりますよね。耐震性能が低いマンションを買ってしまうと、二つのことが考えられます。マンション住民みんなでお金を出し合って耐震補強をする。これが一つです。マンションを買った後にまた、出費があるのは嫌ですよね。
 
 
そしてもう一つは、耐震性を無視して不安を抱えつつ住み続けるということです。耐震補強しようという意見がまとまらず、お金も集まらなければ、そのまま住むしかありません。これは安心な暮らし、とはいえません。だからこそ1981年に注目してください。
 

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ただし、オススメは1983年以降

 
1981年以降かどうかは、ネットの記事でもよく出ているんですが、1983年という年も気にしてほしいです。築年数でいうと33年ですね。この年は、区分所有法というマンションに関する法律が改正された年なんですね。この年に、管理組合をきちんと整備するというルールになりました。
 
 
つまり、それまでのマンションに比べて、きちんと管理が行き届くようになったということですね。中古マンションを買うときは「管理」を買え、というのが業界内では一般的なのですが、それは、いくらいい建物を作ったとしてもきちんと管理されていないと、すぐにダメな建物になってしまうからなんですよね。
 

理想は1997年以後に建てられた中古マンション

 
1997年以降はマンションを長期にわたって建物のメンテナンス、リフォームの計画「長期修繕計画」を管理組合で作ることが当たり前になってきました。これはいつ、建物をリフォームするかという計画表のことです。こういう計画があるマンションと、ないマンション、どちらがいいと思いますか。
 
 
私はきちんとみんなで建物を維持していこうという意識を持ったマンションの方が長く気持ち良く住めると思います。そうなると、築19年までなら、長期修繕計画がきちんとしている可能性が高いですね。
 

おすすめの中古マンションの築年数は?

 
で結局何年のものがいいのかというと、私としては築15〜30年くらいがいいと思いますね。ちょっと幅がありますが、そこは皆さんの予算で調整してもらえればと思います。ちょっと解説すると、築15年以前だとまだ、価格が落ちきっていないので買い時じゃない。
 
 
築30年以降だと耐震性の問題や、長期修繕計画の曖昧さなど不安材料があるのであまりおすすめできないですね。また、すでに建て替えようかどうかなんて議論がすすんでいることもありますし、また、資金不足でリフォームやメンテナンスができずにただ荒廃していくのを待っているマンションなんかもありますからね。

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