リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

ZEHビルダー制度の登録は無駄。ゼロエネ住宅が売れない理由

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工務店やハウスメーカーなど、家づくりの業者の間で今最も話題なのがZEHへの取り組みです。業者の方ならZEHとはゼロエネルギーハウスという、省エネ住宅であることはご存知かと思いますが、私は今ゼロエネルギーに取り組むべきではないと思っています。今日はゼロエネルギーハウスが売れない理由について解説していきます。極端な意見かもしれませんが、おそらく共感してもらえる方もいると思います。

 

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ZEHビルダー制度の登録など意味なし

 
工務店などは今、ZEHビルダー制度に登録される方が増えてきています。これはZEHを建てると補助金が出るのですが、その条件がビルダー登録です。これからZEHを建てていくぞ〜と意気込んで勉強会などに参加する方も多いと思いますが、私は意味ないんじゃないかなと思っています。その理由を解説していきたいと思います。
 

ZEH(ゼロエネルギーハウス)は売れない

 
まずZEH、つまりゼロエネルギーハウスなんていうものを、ほとんどの消費者の方は知りませんし、興味がありません。求められていないものを努力して作る必要がありません。市場が求めていないものを作っても意味がないのに、ZEHビルダー登録なんてしてしまう工務店はただ単に思考停止し、周りに流されているだけです。
 
 
だんだんとZEHの認知度が上がって、ZEHが欲しいと言われる世界が来るかというと、こないでしょうね。まずそもそも住宅の一次取得者層である30〜40台は給与が増えておらず下がっていますので、基本的に新築を買おうというマインドが低い。ゼロエネルギーにするために住宅に様々な設備を導入してスペックをあげれば価格は高くなります。高い家なんて買えないし欲しくないのに、売れるわけがありません。
 

20〜30代の独身男女の6〜7割は交際相手がいない

 
先日こんな「恋人」に関するデータが出ていました。もはや若者は恋愛していません。ですから結婚はさらに遠いもの。家というのは家族が増えて手狭になったから買うというケースは非常に多いです。ですから結婚するカップルが増えればいいのですが、本当にそうなるのでしょうか。このままだとむしろ独身も賃貸住まいが増えるんじゃないですかね。そこにZEH買いませんかといっても、何それ?ですよね。
 

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少子高齢化社会で若者の住宅取得は減る

 
さらに少子高齢化社会ですから、そもそも家を買う人は減るんです。非常に少なく、さらにその数が減っていくパイの中で、ZEHビルダーがお客さんを奪い合う。ZEHに備えておこうというのは間違った経営判断ともいえるのではないでしょうか。
 

ZEHは「できる」業者に任せよう

 
もちろんいつの時代も新築を買おうという人はいます(減っていきますが)。そういう人にはなんら問題がない最高の品質のゼロエネルギーハウスを建てられる人が建てればいいのです。工務店というのは月に1棟注文が取れればバンザイですよ。そんな経験の浅い工務店にゼロエネルギーハウスなんてものを作って欲しい人なんているのでしょうか。いません。圧倒的な技術と経験がある会社に作って欲しいのです。小さな工務店、信頼されていない工務店がゼロエネルギーハウスやってます、といっても見向きもされないのです。
 

時代はリフォームとかリノベーションなのに

 
最近の住宅雑誌を見れば、どこもかしこも中古一戸建てや中古マンションの、リフォームやリノベーションの特集ばかり。時代は確実にそっちです。生活者も住宅ローンの支払いが不安だから家を買うとしても安いのがいい。新築なんて高い家は度外視ですよ。しかも新築を建てるためのいい立地なんてもうないじゃないですか。郊外の不便な新築なんてちょっとあり得ないですよね。工務店さんなどの住宅会社は周りに流されず今生活者が求めているものを作ればいいんです。まわりのZEHビルダーに流されず生活者をよく見ましょう。

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