読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

「築30年を超えた一戸建ての価値は0円です」は手抜きしたい不動産会社たちが作ったウソである

f:id:nazokaizin:20170209180107p:plain

私はよくヤフー知恵袋で住宅の悩みを抱えた人の投稿を読む。特に多い悩みは次のようなものだ。「自宅を売却します。築30年の戸建てなのですが、だいたいいくらくらいになるでしょうか?教えてください」。

 

 

なぜか建物価値は0円ですよ、が常識になっている

 

築年数の古い家は売りに出すとといくらになるのか、についてほとんどの方が知らない。当然だ。素人だから仕方がない。だからヤフー知恵袋には、古い家の相場について尋ねる人が絶えない。

 

そんな問いに必ず付くのが以下のような回答である。「築30年も経つと建物価格ゼロ円ですよ。土地だけの値段ですね」。なかには、見てもいないのに「そんな古くて汚い家、高くて売れると思っていますか?」などと嫌味を言ってくるものさえいる。回答者は不動産屋なのか、素人なのか、わからないが、とにかく築30年経って、戸建てなら建物価値はゼロ円、というのが「常識」だとされているのだ。

 

ボロい古い家は「絶対に」高い値段で売れないのか?

 

しかし、これは常識なのか?例えば0円と言われている戸建てに、300万円の値段をつけて売り出したらどうなるのか。あるいは500万円でもいい。本当に買い手がつかないのか?つかないと思うのか、素人でも構わないのでよく考えてみてほしい。

 

 

どうだろうか?本当に売れないだろうか?

売れるのでは、と思った人はいませんか?同感だ。

 

家を高く売る方法は実はいろいろある

  

ではどうすればゼロ円の家を300万とか500万とかで売れるのか。まず、最も重要なのは、売却専門の不動産の会社、あるいは不動産営業マンに依頼することである。彼らのミッションはなるべくなるべく高く売ることだ。ゼロ円など、安値での売却など許されないのだ。なぜか。高く早く売らなければ自分たちの報酬に繋がらないからだ。

 

 

では、彼らが使う高く売るための方法は何か。それはいろいろある。

 

  • 例えば、スーモやアットホームなどの広告で宣伝する。
  • 部屋を片付けてインテリアを整え、内見の印象をよくする(ホームステージングという技法)
  • インスペクション(建物調査)によってプラス評価できる部分を資料にまとめ公表する(古くても性能の劣化はあまり進んでいない、という住宅に効果あり)
  • 瑕疵保険(買った後の保証)に入ることができる

 

などなど、古い家でもなるべく高く売れるようにする売る工夫は、いろいろあるのだ。

 

中古のものが意外な値段で売れることは珍しく無い

 

当然だ。ヤフーオークションとか、メルカリなどで、中古品を売り出したことがある人はお分かりだろう。古くなってしまったモノを売りに出す際に、丁寧に磨いたり見栄えを良くしたり、綺麗に写真に撮ったり、工夫をすれば思っていた以上の値段で売れたりする。それは家でも同じだ。

 

このような売り物を良く見せるという方法を売却専門のエージェントは使う。つまり価値ゼロと言われるような物件でさえ、高く売る方法はいろいろあるのだ。なのになぜそういうことが行われないのか。

 

不動産営業マンはなぜ「本気」であなたの家を売ってくれないのか

 

簡単にいうと2つある。一つは面倒だからだ。手抜きしたいのだ。そんな大したことのない家に広告使ったり、診断したり、家を綺麗にしたり、そんな面倒くさいことを、不動産営業マンはやりたくないのだ。うっとうしいのだ。だから建物価値はゼロ円である、と決めつけてしまった方が楽なのだ。だから不動産営業マンみんなで価値ゼロに特に反対しないのだ。

 

ただし、売主は100万円でも値段がついて売れればかなり嬉しい。でも不動産営業はそんなことはほとんど気にしない。価値ゼロの方が手っ取り早く、手間がないからだ。

 

だから家を売りたい人は査定される際に気をつけてほしい。「古いので建物価値は0円ですね」とか、適当に言ってくる。なぜならその営業マンは高値で売ろうとしないからだ。これは残念ながら日常的に行われていて、あなたは回避することができない。最悪だ。

 

不幸なことに「売却」専門の営業マンは少ない

 

そしてもう一つ、不動産を高値で売ろうとしない理由が、売却専門の不動産営業マンなどほとんど存在しないからだ。一般的に、不動産営業マンは売却のお客さんと、購入のお客さん(買主)をどちらも相手にする。

 

例えばあなたから不動産売却を預かった営業マンは、一方で家を買いたいというお客さんを相手にしている。するとどうなるか、家を売りたい売却主は高く売りたい、家を買いたい買主は安く買いたい、この全く正反対の相談をされているのだ。そうなると間に入った仲介営業マンはどうするのか。「適当に」調整するだけである。売主、買主共に夢は叶わない。間に入った営業マンが「両手仲介」となり、唯一夢が叶うのだ。

 

一人で売主、買主を仲介することは正常だと思います?異常だと思います?

 

売主には価値ゼロですねとか言って、売却依頼を預かり、買主には結構安い物件ありましたよ、なんて言って売る。これって正常ですか?

 

売主は悔しいですよね。これって変じゃないですかね?

 

ちなみにアメリカでは売却の営業マンと買主の営業マンは基本的に別々です。お互いの営業マンが交渉して(高く買え!安く売れ!の戦い)、妥協点を探ります。

 

日本は基本的に一人でやります。変ですよね。変なんです。だから家を買う方、そして家を売る方、変な業界を相手にしますのでしっかり情報収集しましょう。負けませんように。