リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

【年間販売棟数ベスト10】日本で最も戸建てを売る会社10社をランキングで解説。超大手ハウスメーカーの顔ぶれを紹介

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Q 日本で一番戸建て住宅を売っている会社ってどこですか?
A 飯田グループホールディングスです。
 
今日は戸建て住宅を売っている会社のランキングを紹介していきたいと思いますね。あなたが買おうとしているハウスメーカーは日本で何番目なのでしょうか?そんなことについて今日は語っていきますね。

 

 

 
 

きっかけはオープンハウスの決算説明資料

 
東京で家を買おう、こんなキャッチフレーズで今売り上げをガンガン伸ばしているのがオープンハウスという会社です。その記事を前回書いたのですが、記事執筆に当たって参考にした決算説明会資料に興味深いデータを見つけました。それが以下の資料です。
 

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オープンハウスの決算説明会資料から引用
 
 
このグラフが意味していることは分かりますか?
 
左の棒グラフは「戸建供給棟数の推移」という難しい表現ですが、ものすごくわかりやすくいうと、オープンハウスという会社が毎年建てている戸建ての数を示しています。赤い○が付いているのは、私たちは2020年に9300棟建てる計画です、という意味ですね。
 
ただ、今回興味深いといったのは右の表ですね。
 

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戸建住宅販売棟数ランキングという表
 
こちらは「戸建住宅販売棟数ランキング」という名前の表ですね。これもわかりやすくいうと、1年間の間に戸建てを販売した数を元に、1位から10位までランキングにしました、ということです。つまり一番上のIG社が日本で一番戸建てを販売している会社です。
 
ただ、なぜか、IG社だの、SH社だの、イニシャルになっているので、一般の方ですと、これがどの会社を示しているのか、分からないかと思います。そこで今回はこれらの会社が実際どの会社なのか、分析していきたいと思います。
 
 

1位IG社は飯田グループホールディングス

 
 
1位は冒頭で紹介しましたが、飯田グループホールディングスという会社ですね。
ここは、戸建ての建売りを軸にした会社ですね。市川海老蔵さんが広告塔です。
 
1年間に販売している数はなんと44763棟。とんでもないですね。販売棟数の右側に「シェア」というのがあるのですが、これは日本で建てられた戸建て住宅の内、その会社がどれくらいの割合建てたかということを意味します。飯田グループホールディングスは10%ですから、日本の戸建ての1割を占めているんですね。
 
 

2番目のTH社+P社+M社とはプライムライフテクノロジーズ

 
2位はTH社+P社+M社となっていて、順位も空欄になっているわけ分からない状況ですね。これはどういう意味かというと、まずTH社はトヨタホームです。Pはパナソニックホームズです。M社はミサワホームです。
 
 
実はこの3社は来年同じグループになる予定です。その会社名は、プライムライフテクノロジーズ社です。この会社の下に、トヨタホーム、パナソニックホームズ、ミサワホームがぶら下がる形になります。これら3つの会社を併せると、表にもあるとおり約1万7000棟になるわけです。業界2位ということですね。
 
知られていませんが、ミサワホームはそもそも、トヨタホームの子会社なんですよ。
 
発表資料
 
 

現状2位はSH社、これは積水ハウスです

 
プライムライフテクノロジーはこれからの会社なので、順位はつけれていません。では、現状2位のSH社は何かというと、皆さんご存じ積水ハウスですね。戸建ての大手ハウスメーカーですね。建売も注文もどちらも強い超有名ハウスメーカーですね。
 
 

3位のIK社は一条工務店です。

 
ガチガチの耐震、最高レベルの省エネ住宅が売りの一条工務店が3位です。12492棟も立っています。有名ハウスメーカーがまだ登場していないにもかかわらず、3位。すごいですね。勢いを感じます。
 
 

4位のSK社は積水化学工業です。

 
セキスイハイムといったブランドの家を建てている積水化学工業が4位ですね。9880棟。太陽光発電搭載住宅でギネスにも登録されている、省エネ追求型住宅の先駆者ですね。
 
 

 

5位のA社は旭化成ホームズですね。

 
「ヘーベルハウス」というブランドの家を売っています。木造ではなく、コンクリート住宅の会社です。けっこう高級住宅なのですが、1万棟近く売っているんですね。
 
 

6位にはオープンハウス?

 
グラフでは5位と6位が空欄になっていて、そこに矢印が入っています。
 

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つまりオープンハウスはこれくらいの順位に入るよといっているわけですね。名だたる大手企業に食い込んでくるわけです。
 

実質6位はD社、つまり大和ハウス

 
実質の6位は大和ハウスですね。大和ハウスは戸建てが主力事業ではありませんが、それでも大量の住宅を売っていますね。
 
 

7位のT社はタマホーム

 
キムタク、ももいろクローバーZなどのコマーシャルで知られるタマホームですね。比較的ローコストで建てられるところが売りですね。タマホームについてはこちらで詳細記事を書いていますので、お読みいただければと思います。
 
 

8位のSRは住友林業です。

 
住友林業はその名の通り、林業をやっている会社です。家に使う木を調達して、工務店さんに売る仕事です。それにくわえて、キッチンやトイレなどの設備も工務店さんに売る。建築資材の流通業をやるかたわら、自ら木造戸建て住宅の家づくりも進めています。「木」の感じが伝わる家づくりが売りですね。
 
 

9位、10位はミサワとパナソニックホームズ

 
ミサワとパナは既に解説しましたね。トヨタホームと一緒になります。
 
 

あなたが買おうと思った会社はランクインしていますか?

 
紹介したランキング、いかがでしたでしょうか。これらの会社全部のシェア率を合計すると、大体30%くらいになります。つまり日本の新築戸建ての3割はこのような大手10社によって占められているわけです。
 
 
では、残り70%はどこなんだ、ということですが、実はあなたの町にも細々と経営している「工務店」と呼ばれる会社が日本の戸建て住宅を作っています。1年に3棟、5棟、といった工務店は何千社とあります。つまり、大手に頼む人も多いですが、それは3割程度。それ以外の人たちは、無名の工務店(ビルダーとも呼ばれます)で建てているんですね。
 

大きい会社だから満足できる、とは限らないよ

 
そして、ランキング上位だからといって、あなたが満足する住宅かどうかはわかりません。大きな会社で建てた方が安心感があり、満足される方もいれば、逆に小さな会社に頼んだ方が満足できたというケースもあります。
 

大事なのは「誰に」頼むかと比較検討

 
重要なのは自分の希望が叶えられる会社なのか、どうかいろいろ比べることです。そして、会社よりも、その担当者の方が大事だったりします。小さな会社でも素晴らしい経験と実績、熱意を持った人はいます。大手だから良いというわけではありません。それと、誤解していけないのは、大手の中にもそういう優秀な人材は数多くいると言うことです。
 
 
新築の家づくりが難しいのは会社選び、担当者との巡り合わせ、この2つがうまくいかなければならないからです。納得するまでいろいろな会社、いろいろな担当を向き合って話をすることが最も大切だと思います。