リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

リフォームトラブルに注意しなさい!初心者に多い失敗・クレーム例9選

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リフォームにはトラブルがつきものです。これからリフォームをしようと思っている方、中古住宅を買ったのでリノベーションしたい方などなど、事前にどんなことでトラブルになるのかを知っておけば安心です。
 
リフォーム・リノベーションは安い買い物ではありません。業者にクレームをつけるのも精神的に疲れますので、極力トラブルゼロで乗り切りたいですね。今回はトラブルになりやすいポイントを9つ紹介します。

 

 
 

1 打ち合わせ時のプランや設計デザインと仕上がりが違う

 
一番多いのはこれですね。要は打ち合わせしていた時の出来上がりイメージと、実際に完成したリフォームが違うということです。例えば、よくあるのが色や柄のイメージが異なること。
 
例えばある方は、木目が綺麗に出ている無垢のフローリングをリビングに取り入れようとして、実物を見ずにカタログで発注してたのですが、実際に職人が工事している現場を見に行くと、安っぽい合板フローリングのような見た目で、色も思っていたよりも薄かった、というようなことが起こります。
 
こういう場合、業者が悪いのかと思いがちですが、事前に実物を見ずに契約してしまったことがミスです。リフォームで使う材料(例えばキッチン、トイレ、バス、フローリング、壁紙のクロスなど)は実際に実物を見て決めましょう。
 
 
イメージが違うのでやり直して下さい、は工事契約が済んだ後は追加料金になります。納品したものを返品できるかについては、クーリングオフの条件に当てはまるかどうかによります。業者か開封してしまったらダメの可能性もありますし。
 
もちろんですが、お願いしていた商品と違う場合は、契約違反になりますので、やり直してもらうことが可能です。明らかに業者のミスですからね。
 

パースやCGを出してもらえるかでリフォーム業者選びをする

 
トラブルを回避するには実際のものを見る以外にも、事前にどんな雰囲気の家になるのかパース(リフォーム後の部屋がイメージできる絵のようなもの)やCGシミュレーションを出してもらうことも大切です。パースなどかけない!提出できない!という営業マンがいたら注意です。レベルが低い担当がついたと思ってください。あなたの希望するリフォームが実現しない可能性が高いので、違う会社にするのがいいと思います。
 
 

2 契約書がないためトラブル時に業者の非を立証できない

 
リフォームというのは高額な工事にもかかわらず、契約書なしで工事を進めようとする業者もいます。まことに信じがたいことのように聞こえますが、リフォーム会社の実態を考えれば不思議でありません。
 
 
リフォーム会社というのは家族経営の工務店のような小さな会社がほとんどです。そういう会社は何十年も前から昔ながらの商売をしているので、曖昧な見積もりを出しただけで、きちんとどんなリフォーム工事をするのかを定めた契約書を作らないままに工事を進めてしまったりします。リフォームが初めての初心者の方はそういうものなんだと思って、工事を進めてしまったりするのですが、これは絶対にやめましょう。
 
 
というのも、約束と違う、思っていたリフォームと違うというトラブルが発生した時に、工事契約書がないと、言った言わないの水掛け論になります。
 
 
あまり言いたくはないのですが、リフォームトラブルで消費者が業者を訴える訴訟になることもあります。そういう際は契約の内容がどうだったか、それに対してどんな工事が行われたかということがわからなければ、業者の非を立証することができません。
 
 
ですので、工事請負契約書というのをきちんと確認し、受領してください。なんらか大きなトラブルになって弁護士さんに相談しなければならない時に工事請負契約書は役立ちます。また、工事前・工事中・工事後などの写真撮影もお施主さん(お客さん)自身で行っておけば、何かあった時の証拠になりますので、お勧めします。
 
 

3 有名な大手企業だから安心してしまうのは危険

 
リフォーム業者選びの際に、できる限り有名な企業に頼みたいという方は多いかと思います。「信用」は重要な業者選びの指標です。
 
 
例えば積水ハウス、大和ハウス、ミサワホーム、パナホーム、住友不動産新築そっくりさん、旭化成、積水化学工業など大手のハウスメーカーを選ぼうかなという人も多いと思います。ただ、注意して欲しいのは実際の工事は、彼らがやるのではなくて、彼らの下請けの工事店が行うわけです。
 
 
私が聞いたのはある有名なハウスメーカーにリフォームを頼んだら、名前の知らない工務店が工事にやってきて、施工を始めたというのです。もちろん腕がよければなんの問題もないのですが、担当したのは新人の大工。
 
 
壁紙のクロス工事だったのですが、シワができたり、不注意で汚してしまったりして、お客さんは激怒。「ハウスメーカーに頼んだのに!」といって職人を変えてもらい、綺麗に貼ってもらったのですが、高いお金を払って損した気分と言っていました。
 

4 引き渡し時にくまなくチェックせずに住み始めないように

 
リフォームが完成後にお施主さん立ち会いのもと引き渡しが行われます。そこで住宅を見回って、OKとなると工事完了です。しかし、住んでみた後に気になる箇所が見つかることがあります。
 
 
例えば、あるお客さんは引き渡し後に壁紙のある一部が黒ずんでいる部分があり、その不具合をリフォーム業者にクレームを入れました。チェックしたものの、何が原因で黒くなったのか、引き渡し前にもともと黒かったのかがわからずに、施工した業者にも入ってもらってチェックしました。しかし、その職人も心当たりがないといい、誰も責任を取らないムードに。汚れを取るなら全面的に張り替えなければならず、費用がかかります。
 
 
でも、お客さんも引き渡しの際に見回ってOKを出してしまった以上、住み始めてから汚れたということも考えられ、業者に責任を追及しにくい状況になりました。結果、誰も責任を取らずにうやむやになり、我慢したそうです。おそらく下請けの職人がミスをして、管理する立場の元請けが見落としていたのでしょう。引き渡し前に必ず、リフォーム箇所をくまなくチェックすることが大切です。
 

5 営業のレベルが低すぎて話にならない

 
チラシがバンバン入ってきて伸び盛りのリフォーム会社などに多いのですが、そのような会社は若い社員をたくさん雇って経営しているケースも少なくありません。若くて元気があるのは接客業として大事だと思いますが、リフォームというのは新築よりも建築の難易度が高い職業です。
 
 
簡単なリフォームなら平気ですが、難しい工事となるとミスしやすいので、若い営業がついた時は注意しましょう。例えば、お風呂のリフォームの際に、新しいユニットバスを入れようとプランしたとします。ただ、ユニットバスが大きいので、ユニットバスが通る洗面所も一緒にリフォームしないとダメです、といったような話になることがあります。でも実際ユニットバスを搬入してみると、洗面所を壊さなくても入っちゃったということがあるんですね。こういう細かな寸法や工事の手配はある程度経験を積めばできるのですが、若手で新人だと採寸ミスというものが結構あります。
 
 
ただし、ベテランの営業マンが来てくれたからといって安心もできません。新築をやっていた人が転職したのかもしれませんし、いずれにせよリフォームというものはとても難しい仕事。ベテランの営業マンがいる会社に頼むというのは業者選びにおいて大事なことです。
 

6 騒音のために近隣挨拶してくれないのでお隣さんと不仲に

 
リフォームは騒音が発生します。朝早くから職人が来ますので、休みの日もうかうか寝てられないほどの音が聞こえてくることもあります。大きなリフォームになれば1ヶ月くらいかかる工事もありますので、お隣さんに迷惑がかかることはよくある話です。
 
 
お客さん自身が、周囲の家を回って、リフォームが始まります、という近隣挨拶をするのは当然なのですが、やらない人がいます。しないまま工事を始めると周りは非常にストレスを感じるので、リフォーム後にイヤ〜な感じで見られます。嫌がらせを受けたという人もいました。
 
 
そして本当に誠意のある業者なら、近隣挨拶を積極的に行ってくれます。両隣はもちろん、お隣10件まで挨拶をしてくれる親切な業者もいれば、最初だけでなく毎日挨拶してくれる業者もいます。問題外は一度も挨拶をしてくれない業者。こういう業者は誠意がないので、いい工事に仕上がるか疑問ですね。契約の際に近隣挨拶はいつもどんな感じでやっていますかと聞いてください。その答えによって会社の姿勢がわかります。
 

7 相見積もりをして安い方を選んだら最悪だった

 
リフォーム業者を選ぶ際に注意して欲しいのは、価格だけで決めないで欲しいということです。安いというのはそれなりに理由があるのです。一番リフォームのコストを下げるのは職人が工事日をする量を減らすことです。ですので安い業者は工事が手抜きになる可能性が高いです。
 
 
3日かけないと終わらない工事を急いで2日で仕上げる、というようなイメージです。だからなぜ安いのかをきちんと業者に聞き、その内容で納得できるなら契約しましょう。3日かかる工事を4日かけてじっくり丁寧にやる会社だってあります。そういうところは高いけれども、満足いく工事になる可能性も高い。ですから、価格だけで全てを決めないようにご注意ください。後々やすいところにしなければよかったというのはよく聞く話です。
 

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8 不動産屋に紹介してもらったリフォーム会社に注意

 
中古マンションや戸建てを不動仲介会社で購入するときに、合せてリフォームも考えているんですというふうに相談する人は多いです。そうすると、不動産会社の営業マンの気持ちはこうです。「めんどくせえ」。
 
 
一般的な不動産会社の営業マンはリフォームの知識がほとんどありません。しかもリフォームの相談に乗っても、評価されるようになっている会社はあまりありません。ですから「めんどくせえ」になるんです。
 
 
でも、「リフォームですか、お薦め業者を紹介します」、というふうに対応はしてくれます。知り合いのリフォーム会社を紹介して、そこがあなたの会社の見積もりやプラン、工事をしてくれます。
 
 
ここで注意して欲しいのは、不動産仲介会社が紹介したリフォーム会社から手数料をもらっているケースが意外とあります。その手数料はあなたのリフォームの見積もりに乗っかっていますので、それが嫌だという人は不動産会社のお薦めの業者を選択するのは止めましょう。
 
 
また、紹介されるリフォーム店は、決してあなたにとって最適なリフォーム会社とは限りません。おすすめ、というのは手数料がもらえるからおすすめといっているのかもしれませんし、本当に満足いくリフォームをしたいなら、不動産会社に任せず自分で選びましょう。リフォーム業者は何万社もあります。
 

9 見積もり漏れで追加請求

 
これも多いのですが、工事が始まると、追加の費用を追加請求されることがあります。例えば、家全体をリフォームする際に、てっきりドアも新品に変えるものだと思っていて、いざ工事が始まると古いドアのまま。ドアを変えてくださいというと、見積もりに入ってませんでしたよと。実際見積もりにドアのリフォーム入っておらず、契約してしまった。見積もりを十分に確認しないまま、なんとなく契約してしまうとこういうことになります。
 
 
追加でドアをお願いします、といえば追加で工事してくれますが、当然費用がかかります。予算ぴったりということで契約していたのに、これではオーバーしてしまいます。
 
 
また逆にリフォーム会社が見積もりを忘れているケースもあります。よくあるのがユニットバスをリフォームしようと既存のバスを解体したら土台の木が腐っていた、というようなときですね。腐っていたままでは工事できませんので、腐った部分の補修費用をお願いします、というふうに請求されることです。普通はそういうトラブルを予期して、見積もりに入れておくのが当然なのですが、多分大丈夫だろうみたいな見積もりの作り方をする人はこういうことになります。
 

リフォームは魅力的なものだけれど簡単ではない

 
いかがでしたか。よくあるトラブルをまとめてみました。リフォームをする前にはご注意ください。
 

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