リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

中古マンションは築何年を買えばいい?答えは築25年。築浅でも築古でもデメリットはある。

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中古マンションのデメリットとは?

Q 中古マンションを買ってリノベーションしたいと思っていますが、デメリットはあるのでしょうか?

A あります。それは建物の経年劣化、住民の高齢化。それが引き起こす修繕積立金不足によってマンションがボロボロになっていくという可能性です。

 

どうも。今回は中古マンションのリノベーションをしたい人、あるいは中古マンションを購入しようと思っている人に向けて、書いていきます。

 

このブログを読んでいただいている方は、私が中古マンションや中古戸建てをリノベして住むことを推奨していることはご存じかと思いますが、私は持ち家派で、新築では無く中古派です。なぜなのか、そのあたりを知りたい方は、いろいろ記事を読んでいただくとありがたいです。

 

中古マンションリノベももちろんおすすめですが、デメリットが無いわけではありません。それについて今回は書いていきたいと思います。

 

 

新築と中古住宅の違いは何か?

 

すごく当たり前の話をしますよ。新築と中古住宅、一体何が違うのでしょうか。ものすごく当たり前すぎる話ですが、あえて確認していきましょう。答えは、古さです。

 

新築は新しい、中古住宅は新築されてから時間が経ったものです。

 

いつから中古住宅なのか?

 

では、新築が何年経つと中古住宅になるのか。それはドアを開けて、1秒経過したら、もう中古住宅ですね。住み始めてしまうわけですから。

 

中古住宅を購入する際の注意ポイント

 

新築に一度でも住むと中古住宅になる。では、中古住宅になると何が起こるのか。それは資産価値が下がるんですね。資産価値が下がるというのは、売りに出したときの金額が下がると言うことです。

 

20年経つとゼロに

 

現状、一戸建ての場合、築20年経つと建物価値がゼロになると言われています。まあ、ゼロってことは無いのですが、一般的に不動産会社が建物の資産価値を判断する際、築何年かということを基準にするのですが、築20年で建物価値はほぼゼロだよね、というような共通認識を持っています。

 

20年以後はいくらなのか

 

では、築20年以後、資産価値はどうなっていくのかとおもいますよね。基本はゼロになったら、ゼロのままです。リフォームしても、ルール上はゼロです。ルール上というのがややこしいのですが、リフォームされれば資産価値があがりそうなのですが、絶対に資産価値を上げなければならないということにはなっていないんですね。不動産営業マンの査定次第です。それは人によって変わります。だから、ゼロという風に考える人も多いです。

 

となると、築20年前後に買うのが最もお得

 

そうです。中古住宅を買う際には、築何年かが重要なんです。最もお買い得なのはいつなのか。そうです築20年です。価値が0円になったときです。築30年もゼロ。築40年もゼロだったら、そりゃ家の年齢が若いときの方が良いです。築10年だとどうなるか、大体半額になっていますね。もちろん新築よりは安い。けど、まだ下がるということです。

 

 

最も推すすすめは築25年だ

 

そうなんです。中古マンションは築何年の家を買うかが大事なのです。中でも私は一番いいと思うのは築25年です。理由は、大規模修繕の2回目が終わっている可能性が高いからです。

 

マンションと大規模修繕は切り離せない問題

 

マンションには大規模修繕というものがあります。これは共用部と言われる、マンション住民がみんなで使う部分のリフォームですね。例えば外壁とか、エントランスとか、耐震化とか、駐車場とか、廊下とか、エレベーターとかですね。こういうみんなで使うものを、みんなで少しずつお金を出し合って、リフォームに使うんですね。

 

修繕積立金というモノがマンションにはある

 

マンションには毎月修繕積立金という、みんなで使う共用部のリフォームのための「貯金」をしなければなりません。だいたい1万〜3万円くらいですね。毎月毎月みんなで貯金するんです。そして、リフォームに使う。で、このリフォームが実は12年ごとに行われるケースが多いんです。

 

築25年だと2回目の修繕が終わっている可能性あり

 

築12年目に第一回の修繕、築24年に第2回目の修繕、第3回目は築36年、こういう感じで進んでいくわけですが、2回目が終わっていると、メンテナンスがしっかり整った状態のマンションが買えるわけです。だから、私がおすすめした築25年というのはそういう理由です。もちろん、築25年目や築26年目の場合もありますが、私が言いたいのは2回目の修繕が終わった後だとラッキーですねといいたいわけです。

 

築年数をあまり気にしないで買うと起こる最大のデメリット

 

ただし、中古住宅というモノは水物で、良いものがでればすぐに売れてしまい、次々と流れていくモノです。そう狙って買うことは簡単ではありません。なので、築36年でもいいか、安いからとか、築40年、うーん古いけど、立地が良いから、とか、いろいろな判断をしがちです。特に、古いモノを買ってしまうと言うのが私が考えるデメリットです。

 

古いマンションのデメリットとは

 

マンションは古ければ古いほど、劣化がひどくなっていきます。これは当然ですね。そうなるとリフォームの費用も高くなるんです。となると、修繕積立金ももっともっと必要になって、月額の支払いが高くなったりするんです。これはデメリットです。そして、もう一つ、入居者が高齢者ばかりだと、これまたデメリットです。

 

というのは、高齢で年金暮らしとかになると、修繕積立金を払うことを渋ったり、滞ったりするリスクがあります。だって、収入が少ないわけですから、出せない人もいるわけです。そうなるとリフォームに必要な金額が出せなくなる。となると、劣化が止まらず、スラム化するわけです。その状態になってしまうとどうなるのか、売りに出してもなかなか買い手が付きません。

 

しかも、大規模修繕業界は黒い業界

 

最悪なことに、大規模修繕業界というのは、「健全」とはほど遠いんです。大規模修繕をするために、設計コンサルタントという専門化に相談するケースが多いのですが、実はこのコンサルタントがうさんくさいのが多い。

 

実際にどういうケースがあるのかというと、コンサルタントが、こことここをリフォームしなければなりませんね、といったように、リフォームのポイントや必要な予算の見積もりを作ってくれます。そして、工事費を安くするために三つくらいの工事会社に相見積もりをしてみますので、といって見積もりを三つ持ってくるんですね。私はこの会社がおすすめですといって、一番安い会社を選ぶのですが、実はコンサルタントとその工事会社3社がつながっていて、今回はあなたの会社ねみたいな感じで談合していることがあるんです。

 

選ばれた工事会社は、そのコンサルタントに仕事をもらったお礼金を渡すわけです。では、そのお礼金はどこから支払われるのか。そうです、マンション住民が貯めた修繕積立金です。本来ならお礼金などは0円なのに、業者がつながっていて、必要以上のお金をマンション住民から取ろうとするんです。

 

中古マンションのデメリット&リスクは

 

まとめますと、古すぎるマンションはスラム化に気をつけて!ということと、マンションを買う際には築年数を見極めよう!ということ。そして、買った後は、修繕積立金の金額や大規模修繕の際の怪しいコンサルタントに気をつけて!ということです。マンションはみんなで住む建物。なので、戸建てとはまた違う「気をつけなければならないこと」がありますので、注意してください。