リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

中古マンションを建て替えると住民の一世帯当たりの費用負担はいくら?

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古い中古マンションに住まわれている方の多くは、マンションが長持ちするのか不安だと思います。築年数が経てば経つほど、マンションを建て替えなければならないという事態だって起こります。さて建て替えの場合一世帯当たりの負担はいくらなのでしょうか。解説していきます。

 

 

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マンションの建て替え費用の目安は?

 
国土交通省という国の省庁から、「マンション建て替えの円滑化に向けて」という資料が発表されています。
 
 
この資料にマンション建て替えの場合の負担額について調査があります。
 

マンション建て替えた場合の負担額は1500万円以上

 
もっとも負担額の割合で多かったのふが1500〜2000万円で、全体の48%です。これはマンションに住む一世帯(区分所有者)が負担する金額です。
 

築年数が50〜60年ごろが建て替えの目安

 
マンションは長持ちさせるために大規模修繕工事というメンテナンスを10〜12年ごとに行います。2回目が24年、3回目が36年、4回目が48年ですね。
 
 
それ以降はメンテナンスで長持ちするのかどうかの判断が必要になってきます。ですから必ず建て替えというわけではありませんが、もしきちんとメンテナンスを行わずにきてしまったらどうでしょう。
 

大規模修繕工事をしないと外壁が剥がれるなどトラブル続出

 
メンテナンスしないマンションとはどういう状態か教えますね。
 
外壁は崩れ落ちる、洗浄されていないので汚い、水が躯体に染み込んでコンクリートの強度が落ちる、給排水管は穴が開き水漏れする、セキュリティは古いまま、鉄部は錆びだらけ、エレベーターが動かない、ドアがゆがんで開かない、バルコニーが劣化でボロボロ。想像するとやばいですよね。メンテナンスしないマンションも結構あるので、こういうマンションが50年も経てば建て替えは必要です。
 

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建て替えたいけどお金がないのが現状

 
建て替える時期に差し掛かったマンションにはさまざまな世帯が住んでいます。高齢者世帯もいればリノベして住み始めた30代の若い夫婦もいます。
 
そうなると意見が食い違います。まずお金のあるシニアは1000万円現金でポンと用意できる人もいます。その一方でカツカツな暮らしをしてきて年金ギリギリの高齢者もいます。
 
また、中古マンションをリフォームリノベーションして住み始めた若者は、せっかく内装をリフォームしたのにもう建て替えなの?と絶対反対です。
 

建て替えは非現実だからこそきちんとメンテナンスを

 
実際建て替えになるケースはまだまだ少ないです。先にあげたように複雑な問題がからみあいます。だから管理組合に積極的に関わって長持ちするための計画をきちんと進めるべきなんです。住民みんなが管理組合理事は嫌だ〜ではあとあと後悔します。
 

建て替え費用がない場合は売却して逃亡もあり

 
私はマンションが古くなってきたら売却して別の物件に住むのもアリだと思います。ただあんまり古いと買い手が少ないので、築40年とか築50年とかになると厳しいかもしれません。売れないことはまずないんですが、だいぶ安値になります。
 
おすすめは築40年とかくらいで売却して売れた値段程度で築30年のマンションを買う。あるいは老後は賃貸でもいい。体悪くなったら福祉施設に入ることもありますから。持ち家にそれほどこだわる必要がありません。中古マンションを買う方、中古マンションに住む方、情報収集が一番大事です。知恵をつけて良い中古マンションライフを送りましょう。

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