リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

【サ高住の選び方】最悪だ。こんなサービス付き高齢者住宅に両親を住まわせてはいけない

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高齢になって、介助や介護が必要な体になったら、あなたはどこに住みますか?「老人ホーム」に住むよ、という声が聞こえてきそうですが、今老人ホームに空きがありません。待機児童ならぬ、待機高齢者がいるくらい、老人ホームの数が足りていません。急速な高齢化が要因です。
 
 
そこで今、老人ホームに変わりが必要ということで増えてきているのが、サービス付き高齢者住宅というものです。業界的には、サ高住、なんて訳されて呼ばれています。ただ、そのサ高住に悪質な問題があるよ、というのが今回皆さんに伝えたいことです。
 
 
まだ自分は若いから、もう自宅を買ったから、という方も是非読んでください。というのも、体が悪くなれば、たとえ家を持っていたとしても、サ高住のような、高齢者施設には入らざるを得なくなるためです。また、高齢の両親がいる方も是非読んでください。

 

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高齢化が最速で進む日本がぶち当たる課題

 
日本の高齢化は世界一です。世界で最も高齢者が多い国です。人類で初めて高齢化に真剣に取り組まなければならないのが日本なのです。
 
老人ホームが足りない、というようなニュースはどこかで聞いたことがあるかもしれません。詳細は省きますが、高齢化する人数に部屋の数が足りていません。ちなみに高齢者というのは65歳以上を指します。
 
高齢者の施設が足りなければ、増やすしかない。当たり前のことです。国も当然そう考えています。そこで具体化された政策が、サービス付き高齢者住宅を日本中に増やそうというものです。
 

国はサ高住に補助を出しています

 
では国はどういう支援をしているかというと、新築でサ高住を建てる会社に建築費の補助を出しています。ざっくりいうと10%です。
 
補助が出て、高齢者も増えている。「これは儲かるぞ」という会社が続々と、サ高住ビジネスに乗り出すのは当然の結果です。様々な会社がサ高住を建てに、建てまくり、現在20万戸(棟)あるとされています。これを2020年に60万戸にするという計画を出してます。3倍ですよ、一気に。
 

そもそもサービス付き高齢者住宅ってなんだ?

 
サ高住ってなんだ、という方もいるかと思いますので、簡単に言うと介護・介助・福祉のサービスがついた賃貸住宅だと思ってください。サービスとは何か。それは職員、さらに医療や福祉の専門家が入居者(高齢者)のケアになります。例えば、食事を作って提供したり、部屋で亡くなったりしていないか「見守り」したり、そういうサービスがあります。ですから、家賃とは別に「サービス料金」が必要なんですね。毎月です。
 

悪質なサ高住に注意してください!

 
問題になっているのは、このサービスの部分の質の問題です。タイトルで「最悪だ。こんなサービス付き高齢者住宅(サ高住)に両親を住まわせてはいけない」としてのは、高齢の両親がいる方に是非知って欲しいと思ったからです。サービスと言えない、最悪なサ高住もあるんです。
 
 
例えば、見守りサービスも、毎日入居者の部屋をきちんと訪れて、どんな健康状態なのか、万が一亡くなっていたりしないか、といったことを入念にケアするところもあれば、部屋にブザーをつけるだけで「安否確認は十分です」とうたっているようなサ高住もあるんです。
 
 
また別の例では、例えば日用品(ティッシュとか、洗剤とか)で不足なものがないかどうかをチェックして、代理で購入してきてくれるところもあれば、一切そういう個別の買い物には付き合わないところもあります。一人一人特別対応はできませんよ、何て言われちゃったりすることもあります。
 

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サ高住の生活支援サービス費はいくらなのか?

 
そのようなサービス費はおおよそ、月額3〜10万円くらい。平均すると4〜5万円というところでしょうか。問題なのは、4〜5万円なのに、良い品質のサービスを提供するサ高住と、いい加減なサ高住があるということです。サ高住にはいるときに、ホームページや広告などを見ると思うんですが、そこで「サービスは万全です」なんていう、美辞麗句でPRしているサ高住が案外いい加減だったりして、知らずに入居してしまうんですね。
 
 
とにかく初めて入居する人がほとんどですから、どういうサービスが普通なのかがわからない、さらに比較するような知識も情報もないため、サ高住選びに失敗しやすいんです。
 
 

介護サービスを提供している会社がサ高住を提供している場合のデメリット

 
サ高住を運営している会社には、もともと介護福祉サービスを提供していた会社がかなり多いです。なぜなのか。もちろん売り上げを伸ばしたいためです。建物を建てて、そこに入居する人たちに、介護サービスも受けてもらう、というのが狙いです。
 
 
もちろん介護サービス会社が運営するメリットは大きいです。プロですから安心感があります。でも、中には過剰にサービスを付随させて、高齢者の月額の負担額を増やそうとする業者もいます。なぜか。儲けたいからです。ビジネスとしては当然です。必要なサービスであれば問題ありませんが、本当に必要なのか、というものまでいろいろ含められて、月額10万円、とかそういうところもありますので注意です。
 

国はサ高住の実態を把握できていない

 
サービスの質は問題となっておりますが、国がサ高住について状況を詳しく把握できていないのが現状です。サ高住選びは本当に難しいです。高齢者の両親が知識をつけることはもちろんですが、家族みんなで検討することが大切です。

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