リフォーム・リノベーション・新築・不動産の教科書

リフォーム、リノベーション、新築、不動産など住宅業界ならではの「謎」を解説します。不動産兼建築のプロだからわかる「裏側」と「本音」を一般の方になるべく丁寧にわかりやすく説明することで、住宅取得に失敗する方を一人でも救いたいと思っています

耐震工事・診断・補強リフォームのおすすめ業者の選び方・費用・注意点を5つのポイントで解説します!

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熊本地震で震災の被害にあわれた方へ心からお見舞い申し上げます。すでに何十名という死者が発表されていますが、その死因の多くが心肺停止になっています。
 
なぜ心肺停止かというと、地震で建物が倒壊し、それに押しつぶされて亡くなられてしまうからですね。阪神大震災の際も、この心肺停止、そして倒れた家からの火災で多くの方が亡くなられました。
 
今住んでいる家が古い、倒れるかもしれないという危機感を持っている方はまず業者の耐震診断・耐震工事を受けてください。ただし、どの業者に頼めばいいのかわからない方も多いかと思います。おすすめ業者の選び方・注意点など5つについて考えをお伝えします。

 

 

1 自治体の無料耐震診断窓口に相談する

 
おすすめは、各自治体の多くで「無料の耐震診断」というものを受け付けています。国では補助金を使って、戸建ての耐震化を進めていますからね。
 
ここで、まずは耐震診断を申し込みます。市町村と業務委託を結んでいる耐震診断ができる業者が無料で耐震診断をしてくれます。
 
診断が終わり、補強工事に進みたい場合、その診断してくれた人の所属している会社に頼むという方法があります。
 
ただ、その診断士は設計事務所だったり、工務店だったり、リフォーム会社だったりします。設計事務所の場合はおすすめの工事業者を紹介してもらうことができるかと思います。
 
工務店やリフォーム会社の場合は、工事もセットで請け負っているので依頼することができます。診断してもらって好感が持てた、誠実だった、しっかりしていた、と思えれば補強工事もお願いしましょう。
 
 
ただ、不信感があればやめましょう。慣れていない、説明がわかりにくい、頼りない、こんな人もいます。
 
そういう場合は、市役所や町役場の耐震診断の窓口の人に、工事まで考えていることを伝えて、おすすめ業者がないかどうかを聞いてみるのも手です。もちろん、自治体が特定の会社をおすすめすることは公平じゃないので、できないというところも多いと思いますが、地元の市や町にあるリフォーム事業者のリストや、耐震診断を手がけた件数などを教えてくれることもあります。たくさん診断している業者はそれだけ経験が豊富なので、そういう会社に行くのもおすすめです。
 

2 木耐協(日本木造住宅耐震補強事業者協同組合)に加盟業者かを見る

 
それ以外の方法で、業者を探すにはネットが欠かせません。手早く探す一つの方法が、耐震工事に関する業界団体から検索する方法です。
 
 
日本で最も耐震系の事業者の会員数が多いのが木耐協です。正式名称は日本木造住宅耐震補強事業者協同組合。ウェブサイトには1000社の加盟業者がいるようです。組合員一覧というページから、各都道府県の会社を検索することができるので自分の地域の会社を選びましょう。
 
ただし、一点というか、ややこしい問題があります。加盟はしているものの、耐震リフォームの実績が豊富で、知識経験ともに問題ないという業者かどうかを見極めるのが難しいということです。業界団体に入ることは、申請をして、一定の審査があって、入会できますが、耐震工事の経験やスキルが十分というレベルの会社だけが入っているわけではないということです。
 
ですので、検索ページで見つかった業者名のウェブサイトを次のようにチェックをしましょう。
 

3 業者のホームページに「耐震工事「耐震補強」「耐震リフォーム」のページを探す

 
耐震診断や補強リフォームを依頼する前には、必ずその業者のホームページを確認しましょう。そこに「耐震工事「耐震補強」「耐震リフォーム」といった施工事例があるかどうかをチェックしましょう。
 
施工事例というのは、その会社が過去に手がけた実績のことです。地震対策に強いのであれば、きちんとそのようなページを用意しているのが普通です。そのような内容・記述がない会社に比べて安心感があります。
 
 

4 訪問販売のリフォーム業者には注意を

 
熊本地震があって懸念されるのは、飛び込みで「あなたの家を耐震診断しましょうか?」という訪問営業が来ることです。訪問販売は必ずしも違法ではないので、真面目に善意でやっている会社もありますが、一方で、法外な請求をしてくる悪質なリフォーム会社もいます。
 
 
大切なのは、その場でなんでも即決せずに、きちんと会社名や担当者名を聞いて、ネットなどできちんと評判を調べること。必要があれば後でこちらから連絡しましょう。
 
 
ご両親の家が古い木造の場合、このような訪問販売の営業を受けることも多いので、息子さん娘さんは事前に注意を呼びかけておくことが大事です。
 

5 耐震補強専門リフォーム店も少なからず存在する

 
ただ、これは理解して欲しいのですが、耐震というものを数多く手がけているリフォーム会社・工務店というのは元来少ないです。なぜかというと、耐震リフォームだけでは食っていけない店が多く、看板だけ掲げている会社も多いです。
 
 
しかし、少なからず耐震に特化している、あるいは耐震を重要視しているリフォーム店はあります。「耐震補強+専門+地域名」などで検索してみることをおすすめします。しかし、そういう店はこういう地震の際に大概多くの注文を受けているので、後回しになる可能性もあります。
 
 

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戸建ての耐震工事・補強リフォームの費用は?

 
戸建ての木造建築の耐震補強工法の種類を確認しておきましょう。
 
  • 基礎の補強
  • 足下補強
  • 壁の補強
  • 接合部の補強
  • 床面の補強
  • 屋根材の見直し
  • 傷んだ部材の修理や交換
 
耐震レベルが低ければ、すべてやる必要があります。一方、ある程度耐震レベルがあれば、すべてが必要というわけではありません。ですので、いくら費用がかかるかは、各住宅によってしまいます。ただ、費用の目安を挙げるとすれば、100万円程度になるでしょう。
 

大地震があっても耐震補強に興味なしの日本人?

 
当然ですが、家が古ければ古いほどコストはかかります。この費用が安いか高いか?おそらく多くの人は高いと思うでしょう。最近見たニュースではこれだけの地震があっても6割程度は、地震が来たらあきらめる、という声が多くありました。
 
 
確かに、100万円も耐震補強に工事をかけても、地震は来ないかもしれません。無駄かもしれません。ただ、万が一の際に備えて、耐震補強してある家に住んでいるというのは、普段の生活の中で安心感があると思います。工事はちょっとお金がという人も、診断は無料のケースがほとんどなので、まずは家に補強が必要かどうかだけでも、チェックしてみるのはどうでしょうか?

 

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